1019年3月 前へ
前回のあらすじ
・健康の下がった灯栖様、木乃絵ちゃんと訓練。
・維勢丸・柚々璃・袮陽絽の3人で鳥居千万宮へ。
訓練結果等
灯栖様による木乃絵ちゃんの訓練結果。
うん、良い結果です。母として、同じ職業の先達として、どんな指導をしたのかなあ...
灯栖様の最初で最後の指導でした。優しくて元気ハツラツなお母さんでも、訓練はきっと厳しいんだろうな。それが子どもが生きるための最善だから。
木乃絵ちゃん実戦部隊入り!でも今月はお休み。
お母さん、私頑張りますね。兄さんと、お母さんから教えてもらったことを、きっと活かしてみせます
うん。木乃絵ならきっとやれるわ。でも、焦らずにね
...はい
柚々璃ちゃんも元服。
維勢丸くんの妹という印象が強いと同時に、少しずつ成長してお姉さんらしくなってきた気がします。
新技習得のところで、家族全員の名前が並びました。
ジーンときてしまう...
この5人でいられるのは、この名前が並ぶのは、今月が最後なんだ...
準備
今月は灯栖様の最後の月。そして維勢丸くんの交神月。
維勢丸くんの交神までは家族団欒。いくつかやることがあります。
まずは灯栖様には今月も千金人参を飲んでもらいます。全快はしないのだけれど...
続いて。
特別な施設の中に幻灯屋というものがあります。その時いる家族の写真を撮れるわけです。
残せる幻灯は30枚まで。紗磋茶一族では、誰かが亡くなる月に幻灯を撮ろうと思います。そうすれば存命時期が被っている一族同士で必ず一枚は同じ幻灯に写れるからです。
ちなみにフレームも選べる。
今回は一番最初の「質素倹約 必要十分」額縁。
シンプル!正真正銘の家族写真です。
どういう法則なのかよくわかんないんですが、なぜか維勢丸くんが真ん中で、最後に訓練をした母娘が隣同士です。
いい写真だなあ...誰が誰と似てるのかとかも見やすいですよね。
4兄妹は袮陽絽ちゃん以外みんな灯栖様と同じ風髪、でも袮陽絽ちゃんだけが母と同じ土肌。
瞳の色は灯栖様の土目を継いだ子はいなくて、4兄妹は柚々璃ちゃんだけ水目です。
ちゃんと個性が出ていて、でも血の繋がりも感じられて。本当に、愛おしくて仕方がない...
ウゥ.........来年もこのメンバーで撮ろうよ...............
座神像もみんなで拝んできました。「大灯栖毘遮那紗磋茶座神像」です。
(ここで「建立されるよ!」って言ってたやつ)
京のみなさんありがとう。ご利益あるといいな。
で〜っかいわねえ
本当に立派だわ
...
袮陽絽、こわいのか?
こ、怖くない!
あはは 袮陽絽、向こうで桜がいっぱい咲いてるからあっちを見に行こう
じゃあ、せっかくだしお花見しましょうか
残った時間を目一杯、家族で過ごしましょう。
交神
さて、それではいよいよ維勢丸くんの交神です。
維勢丸くんは元服の時「自分の弱いところを補ってくれる女神様」がいいって言ってました。
これからの交神は大抵の場合その子の素質の穴を埋めるようにやっていくことになるだろうなあ。
お相手は結構悩んだ。
考慮するポイントは必要奉納点・相手の素質・見た目のお似合い度。
次の交神までにどれくらい奉納点を稼げるか...どれくらい維勢丸くんの素質にあった方を選べるか...考えることはいろいろですが...
決めました。
お相手は二つ扇ノ前様。
割と奉納点ギリギリですが、次の柚々璃ちゃんの交神までは月が開くので大丈夫でしょう。
維勢丸くんの言っていたように維勢丸くんの素質で比較的低い、体の風と技全体を底上げするために選びました。素質の画像はないんだけど...
見た目もねえ、なかなか似合うじゃない?
交神相手を選ぶのは当主様ではなく交神する子本人です。他の家族と一緒にやんややんや言いながら決めたりもするかもしれない。
維勢丸くんって、元服の時のあの希望からも感じるように、すごく真面目で堅実なんですよね。着実に、一歩ずつ、抜かりなく。
そんな維勢丸くんだからこそ、これまで灯栖様を支えてこれたと思うし、妹たちのよき指導役となれたんだと思います。
だけど時には、大きく踏み出す勢いも必要だから。
ああ。
この先も、心に火を灯せるように。
:
元気そうな笑顔の眩しい女の子。
きっとあの子なら大丈夫だ。
:
別れ
この時が来なかったらどんなにいいか。
灯栖様の健康度が下がってからこの時を迎えるまで、実生活では少し間がありましたが、何度もふとしたタイミングで泣きそうになっていました。
まずは。
次の当主を選ばなければなりません。
この先紗磋茶一族の当主をどう継いでいくか、すごく悩みました。
4人兄妹の中から選ぶなら、長男の維勢丸くんか、灯栖様と同じ職業を継いだ木乃絵ちゃん。そのあとは、ずっとその子の家系で行くのか?それとも長子相続か末子相続で固定か。
多分、選んだのは。
維勢丸くんだと思います。
灯栖様が選んだのも...自分で当主になる事を望んだのも。
維勢丸くん自身が、それを選択しました。
先月の時点で、出陣した時に柚々璃ちゃんと袮陽絽ちゃんに相談して決めていました。木乃絵ちゃんには今月話したと思います。
維勢丸くんが繋いでいきたいものは二つ。当主ノ指輪と、灯栖様の名前。
当主を継いだら、同時に「灯栖」の名を負う。 それが維勢丸くんのもう一つの望みです。
それを、この先全員で継いでいくことが、維勢丸くんの望み。
維勢丸くんの次は柚々璃ちゃん、柚々璃ちゃんの次は袮陽絽ちゃん、その次は木乃絵ちゃん、そしていつか来る維勢丸くんの子ども...悲願成就のその日まで、全員で。
灯栖様からしたら、私がつけた名前はどうするの、と思うかもしれないけど。
維勢丸は維勢丸のまま、みんなはみんなのまま、その指輪と一緒に「灯栖」の名前を持っていたいんです。この呪いから解放されるその瞬間まで、この名前を残したい。
共にいたいのです。
それなら。
これがいつか当主になる子達への、灯栖様からのお願い。
灯栖様という人について、少しだけ振り返ってみたいと思います。
心のステータスの中で土がずば抜けて高い灯栖様。
しっかり者で、たくましい肝っ玉母ちゃんという印象はゲームプレイ当時からずっと変わりません。
4人の子どもの、強く美しき母。
...本当に、本当に強い人なんだと思います。それは間違いなく母としての強さだった。
短命の呪い・種絶の呪い。
朱点童子にかけられた二つの呪いを、自分以外の人間に、子どもにも分けていかなければならないというのは、あまりにも過酷な選択です。
それでも灯栖様はそれを選ぶより他になかった。
だから、生きなければならない。生を全うしなきゃいけない。
初めは、両親にそう望まれたから。そして今は、子にそう望むから。
灯栖様は、自分が、子が「生きること」に専心してきました。
子どもを4人にしたのも、出陣先に未知の場所は選ばなかったのも。
それはあるいは臆病な選択かもしれない、呪いからの解放を先延ばしにすることかもしれない。
いつか短命の呪いが解ければ、辛く苦しい使命から解放され、普通の人間と同じ時間を謳歌することができる。
それでも、それが叶うまでは、それぞれがせめて今持っている分の寿命を確実にまっとうすること。
それが灯栖様の願い。紗磋茶一族の生き方です。
紗磋茶 灯栖
1017年?月〜1019年3月
享年 1歳7ヶ月
灯栖様の遺言。
初代当主の遺言は固定ですが、灯栖様らしい、強い母の言葉だなあと感じます。
「俺の屍を越えてゆけ」において初代当主の死はほぼ必然であり、この先ずっと一族の死は普遍的にあり続けるものだけど。
だけど、今この瞬間って、紛れもなく母と子どもたちの別れに他ならないんだ...
やっぱりつらい。
でももう、これからは、子どもたちで頑張るから。
灯栖様、どうぞ安らかにお眠りください...
紗磋茶灯栖の話。